この涙が枯れるまで


・・・順調に結婚式が進んでいく。


『ここで、新郎様のご希望で、鈴木優様に祝福の言葉を頂戴させてもらいます』

『は?俺?』


『鈴木様どうぞ前へ』



拍手の波がおこる。


僕は仕方なく前に行く。


歩の方を見ると笑っていた。


『あのバカ…』


僕はマイクの前に立った。

目の前には、たくさんの人がいて、僕を見ている。


僕の頭の中がおかしくなる。



『あ…えっと…いきなりで何言っていいか分かんないんですが、
歩と沙紀おめでとう。
ホントに嬉しいよ。
歩と沙紀には高校時代、
いっぱい助けてもらいました。
励ましてくれたり、
勇気くれたり、
笑わせてくれたり。
ホントに感謝してます。

俺が…百合を亡くした時も、
励ましてくれたりして…
ホントに…ありがとう。』

目の前がボヤけていく。


『優…?』



『歩と沙紀と百合と俺は、ホントに仲がよくて、
毎日楽しかった…
ありがとな…歩…沙紀。

百合も今空の上で見てるよ。お前らの愛をさ。

以上です』



言い終わると拍手で会場が溢れた。


歩と沙紀の方を見ると、


二人とも泣いていた。



歩…

沙紀…


ホントにおめでとう。





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