この涙が枯れるまで


『泊まっていきなさいよ?まだあなたと話がしたいわ。』



『飛行機の時間があるので…』



『そう…残念ね。
またいらっしゃい?』



『はい!!』



『絶対よ!!』



『ありがとうございました!!』



僕は深くお辞儀をして、笑顔で帰って行った。



百合が離れている所でも、
僕の話をしてくれていただけで、


僕は嬉しいから。


僕は鞄からカメラを取り出した。


そして海を撮った。



百合…待ってて…

日本に帰ったら、

君にこの写真を贈るからさ。



僕は空港に向かう。


そして僕の百合を探す旅は終わった。



──…


僕は百合のお墓の前にいた。



『百合…見えるかな。
撮ってきたよ?
百合が前見た事のある風景を。
百合…百合はここから俺を想っていてくれたの?
俺の名前を呼んでいてくれたの?
ねぇ百合?

あの海キレイだったよ。
いつかさ…

二人で見に行こうよ…

手を繋いで…

時にはキスしながらさ…
隣には笑顔の百合がいて…
俺も笑うからさ…


俺…泣かないって決めたのにな~…

全然無理だ…


百合…約束破っちゃった…

ごめんね…』


僕は百合のお墓に涙の跡をつけていく。





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