この涙が枯れるまで
その涙の跡は、
お墓に染み込んでいくんだ。
~♪
電話が鳴った。
『優!!あんた今どこにいんの?』
『…え?幸?どうしたの?』
電話の相手は幸だった。
幸の声は、かなり焦っていた。
『あんたが前、写真コンテストに出てた写真を見て、プロの人があんたに会いたいって!!』
『う…そ…』
『今すぐ家に帰ってきな!!』
僕は急いで家に帰った。
僕は気付かなかった。夜空にあるひとつの星が、流れたという事に。
《優君、このたくさんの星はね、みんなの願いなんだよ》
《うん》
《誰かの願いが叶う頃、
流れるんだって》
百合…
百合…
僕の夢へのゴールが見え始めたよ。
百合が僕に教えてくれた、
百合が僕に与えてくれた、
進むべき道の先が…見えたよ。
僕は必死になって家へと向かう。
『たっただいま』
僕は息を切らして客間に入った。
『こんにちは、あなたが鈴木さん?出版フォトフレンズの進藤です』
『・・・初めまして』
僕の夢の扉が
またひとつ開いた。
僕は新たに歩き出した。