この涙が枯れるまで
───……二年後。
今僕がいる場所は、
美術館だ。
僕の写真展覧会があるから。
僕は二年間の間に、プロとなった。
僕はあまり実感していない。
プロとなっても、毎日変わらない生活だからだ。
僕は自分の作品を見て回る。
『この鈴木さんの写真って癒される~』
『だよね!!なんか素敵だよね』
『どんな人かな?』
『素敵な人だよ、きっと…』
僕はその会話を聞いて笑う。
僕がもし、あの時、
写真を撮っていなかったら、僕は写真に出会わなかった。
もしあの時、秘密の場所を知らなかったら、僕は迷っていた。
僕がもし、あの時、百合に出会わなかったら、ホントの幸せなんか分からなかった。
あの時…
もし、百合がいなかったら、僕はただつまらない人生を送っていた。
全ては百合にある、
百合がいてくれて、百合の言葉で、僕はこんなにも成長をした。
百合がこの世界にいて、百合がこの世界から消えて、
百合は誰かに幸せを贈りにきたんだね。
百合は素敵な人でした。