この涙が枯れるまで


僕は家に着いて、百合にメールした。


初めてメールする時とは何かが違う気持ちで。


送る時少し戸惑ったんだ。

百合はちゃんと返してくれるかな


今覚えば、この時の僕はバカすぎたんだ。


《百合,今日はありがと(*^.^*) あとこれからよろしく》


すぐに返事がきた。


《こっちこそ今日送ってくれてありがとう(*^o^*)
今日が私達の記念日だね》


記念日。



それは4月27日。


この日は絶対忘れない。



それから百合とのメールは続いた。

いや、やめたくなかったんだ。

百合を少しでも感じていたい。


そう思ったんだ。



──…翌日。

朝の太陽は元気だ。
今日も鮮やかな色でお出迎えをしてくれる。


僕は少しは成長したような気がする。

人を愛す事で僕の弱さとか、素直な気持ちとか分かったから。


これは全て百合のおかげ。


百合には感謝するよ。


『優1おはよ!!』

めずらしく歩と下駄箱で会った。

『おう!』

『何か良い事あった?』


『何で?』

『顔に出てるから!』


そんなに顔に出てたかな。


もうすぐ百合に会える。


凄く緊張する。

僕は一歩一歩百合に近付いていった。


─…1年2組


僕が教室に入ると僕の方へ走って来る人。


昨日から彼女百合だ。


『優君おはよ!』

『おう、おはよ』

僕は百合の頭をポンッと撫でた。

百合は嬉しそうに笑顔を向ける。


この笑顔ももう僕のモノだ。

僕はこの笑顔が欲しかったんだ。


手に入れるのにかかった時間は長かったけど,もう僕のモノ。

それが嬉しくてたまらないんだ。




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