この涙が枯れるまで


──翌朝の8時…

~♪

携帯の目覚ましが鈴かな部屋に鳴り響く。


『やべ!!』

いい夢を見ていたせいか、少し寝坊をしてしまった。


急いで制服に着替えて、髪の毛をセットし家を出た。

家を出たのは8時20分。
家から学校までバスと自転車を使うから40分くらいかかる。

完璧遅刻だ。

まじ憂鬱だし、めんどくさくなってきた。

でも彼女に会えるから行かなきゃ!!

僕は自転車を置いて、バスに乗り込んだ。

バスの中はガラーンとしていた。

当たり前か。
みんな今頃学校にいるのだから。

少しして、学校が見えてきた。


―清秀高校前―

アナウンスが聞こえ、僕はバスを降りた。


そして学校に着いた。

当然門は開いていない。
僕は門をよじのぼり、学校の中へと入った。

僕は走って教室に向かった。

昨日入学したばかりの学校はまだ分からない事がたくさんある。

教室さえもまだ分からない。

だけど走った。

彼女に会う為に…


バタバタと静かな廊下に聞こえる足音。

近付いていく1―2。


─ガラガラ…

少し古びたドアが煩い音を出して開く。


『すみません!!遅れました!!』


一斉にみんなの目が僕へと移る。

『鈴木君おはよう、席着いて?』

『はい…すみません』

席に着こうとした時、前の席の歩が
『おはよ!どうした?』と聞いてきた。

『ただの寝坊…』

僕ははにかんだ笑顔を見せる。


『あははーどんまい!』


僕が席に着こうとしたら、どこからか視線を感じた。


僕は視線の感じる方を見る。



すると小林百合が僕の方を見ていた。


そして、目が合う。


僕の鼓動が鳴りだした。




< 6 / 419 >

この作品をシェア

pagetop