この涙が枯れるまで
──翌朝の8時…
~♪
携帯の目覚ましが鈴かな部屋に鳴り響く。
『やべ!!』
いい夢を見ていたせいか、少し寝坊をしてしまった。
急いで制服に着替えて、髪の毛をセットし家を出た。
家を出たのは8時20分。
家から学校までバスと自転車を使うから40分くらいかかる。
完璧遅刻だ。
まじ憂鬱だし、めんどくさくなってきた。
でも彼女に会えるから行かなきゃ!!
僕は自転車を置いて、バスに乗り込んだ。
バスの中はガラーンとしていた。
当たり前か。
みんな今頃学校にいるのだから。
少しして、学校が見えてきた。
―清秀高校前―
アナウンスが聞こえ、僕はバスを降りた。
そして学校に着いた。
当然門は開いていない。
僕は門をよじのぼり、学校の中へと入った。
僕は走って教室に向かった。
昨日入学したばかりの学校はまだ分からない事がたくさんある。
教室さえもまだ分からない。
だけど走った。
彼女に会う為に…
バタバタと静かな廊下に聞こえる足音。
近付いていく1―2。
─ガラガラ…
少し古びたドアが煩い音を出して開く。
『すみません!!遅れました!!』
一斉にみんなの目が僕へと移る。
『鈴木君おはよう、席着いて?』
『はい…すみません』
席に着こうとした時、前の席の歩が
『おはよ!どうした?』と聞いてきた。
『ただの寝坊…』
僕ははにかんだ笑顔を見せる。
『あははーどんまい!』
僕が席に着こうとしたら、どこからか視線を感じた。
僕は視線の感じる方を見る。
すると小林百合が僕の方を見ていた。
そして、目が合う。
僕の鼓動が鳴りだした。