この涙が枯れるまで
僕は百合をもう一度信じる事にした。
信じたかったんだ。
僕は百合が好きだから。
僕の百合を思う気持ちは嘘ではない。
百合も僕が一番と言ってくれた。
滝川先輩より僕を選んでくれたんだ。
僕は信じよう。
僕は百合を信じてみます。
僕達は百合の家に戻った。
再び百合の部屋に入る。
昨日ここで僕達は一つになった。
そして百合は泣いたんだ。
その涙は僕のために流した涙かは分からないまま。
百合の左手を見た。
…指輪がない。
『百合…指輪は?』
『え?あっない!!』
百合は左手の薬指を触って、指輪がないことに気づく。
『落としたの?』
『家に出た時はあったのに!!!』
『…どうする?』
『探しに行くに決まってる!!!』
僕達は百合の家を出た。
そして指輪を探したんだ。
なかなか見付からない。
もう夕方になっていた。
『ない~ないよぉ…』
百合は必死に探している。
『…公園は?』
『公園行ってみよ!!!』
『うん』
僕達は公園に向かった。
公園に着いたのはもう空は暗い。
見付かるのかな…
何か光る物が見えた。
指輪だ。
『優君あった!!!良かったぁ~』
『良かったなぁ!!』
百合は喜んでいた。
こんな安っぽい指輪なのに、指輪は見付かってとても嬉しそうだったんだ。
この百合の姿を見ていたら、僕の不安なんてどうでも良くなっていた。