この涙が枯れるまで
~第六章・嘘~
百合といろいろあったけど、僕達の交際は今も続いている。
夏休みが終わった。
久しぶりの学校。
久しぶりに歩と沙紀に会える。
何だか楽しみだ。
久しぶりの教室。久しぶりのクラスの顔。
みんな肌が黒く焼けていた。
それが何だかとても新鮮だった。
僕は久しぶりに自分の席につく。
『おっすー優!』
『お~歩、久しぶり』
『久しぶりぃ!!』
歩の顔を久しぶりに見た。
懐かしいと感じるのは僕だけだろうか。
時の経過がそうする。
『あれ~優~その指輪なぁんだ?』
すると歩が僕の薬指の指輪に気づき、こう言ってきた。
『これ?百合とのペアリング!』
『嘘!~すげぇ!俺沙紀に何にもあげた事ない』
『…仕方ないって!!』
『だよな~ 愛があるから大丈夫!』
愛があるから大丈夫か…歩は幸せモノだな。
ああ…ダメだ…
また変な方向に考えてしまう。
すると教室に見慣れた人が入って来た。
『優君、斉藤君おはよ~』
『おっす』
『百合、おはよ』
『おはよぉ』
見慣れた人とは百合だ。
僕はあることに気づく。
『あれ?百合はペアリングしてねぇの?』
『…………今日忘れちゃって・・ごめんね、優君。』
『え…あ、うん、いいよ。』
少し、答えの間があったのが気になった。
でも気にしないでおこう。
僕はふと百合の腕を見た。
肩の所ににアザが出来ていたんだ。
半袖から少し見えている。
『百合…どうしたの?このアザ』
『…あっ打っちゃったんだぁ~百合ってドジだから!』
『アハハ~ばかだなー!!』
『斉藤君には言われたくなぁい』
百合ホントにホント?