この涙が枯れるまで


『滝川先輩の事…忘れられなかった…忘れたかったんだけど… でもだんだん優の事も気になり始めて…』


『俺が告白した時、どっちが好きだった?』

真白な雲が、僕たちの頭上を流れていく。
ゆっくりとした速さで…


『…分からない』


『……百合…もう終わろっか』



僕は一番言いたくなかった言葉を口にした。
言わないと思っていた言葉だった。


『えっ?』


『もう俺にはお前は無理だよ…』


直りかけていたモノがまた崩れだす。


『何で…』


『お前、本当意味分かんねぇ。どうしたいの?何がしたいの?』


『私は優君と付き合いたい』


『それが意味分かんねぇんだよ。お前俺と付き合ってた時だって、結局お前ん中には先輩がまだいたじゃねぇかよ、 違う?』

『………』


『ほらな、何も言わねぇじゃん、言える訳ないよな。だって当たってるんだろ?』



『でもあたしはちゃんと優君が好きだったよ??!!』


『いいかげんにしろ…もううんざりだ…』


『優君!!嫌だよ…お願い…』


『俺はお前を一回信じたんだ、もう一回信じるって。でもこんなんありかよ。もう無理。』


僕は屋上から出て行った。

『優君待って…!!』


僕の後を追ってくる百合。
そして僕の袖を掴む。


『離せって!!』

『嫌だよ。もう一回だけ百合を信じて?本当の話聞いてよ!!』


『嫌だ、聞きたくない。』


『百合は優君が全てなんだよ??』


『どうせそれも嘘だろ?お前嘘つくの上手くなったな』


『何言ってるの?話を聞いて…』


僕はこの次の瞬間、一番言ってはならない事を言ったんだ。






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