この涙が枯れるまで


僕は百合を少しでも幸せに出来たかな…
少しでも幸せに出来たのなら僕はそれだけで十分だった。
でもこの胸の中に出来た大きな穴は何だろう。
百合の存在。
この大きな穴の中には百合がいたんだ。


今思った。


百合の存在はとても大きいという事を。


でも後戻りは出来ないんだ。


僕は百合に言ってしまったから。



《もう百合を好きじゃない》って。



百合…嘘だよ…
嘘だよ…


僕の胸の中の穴は君なんだ。


百合の存在は僕にとってすごく大きいかった。



~♪


電話が鳴る。



《着信 百合》


名前を見た瞬間、何もできない僕は、電話を切ることしか出来ない。



そして電源までも切った。
百合からの連絡を拒否するかのうに。

僕はずっと携帯の電源を入れなかった。

百合から離れるため。
僕が前に進むため。




そして僕は新しい携帯を買ったんだ。


歩と沙紀には教えた。


心配とかかけたけど、歩と沙紀は友達だから。

百合には教えていない。

教えられるはずがなかった。


気が付けば、僕達の5ヶ月記念日の27日は勝手に過ぎていた。



少しずつ百合を忘れていこう。



でも僕の左手にはまだ指輪がはめてあったんだ。

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