この涙が枯れるまで
~第七章・別れ~
僕は百合ともう一度話す事にした。
今の気持ちを正直に。
次の日僕は百合と話した。
百合と話すのはあの日以来。
百合の目をみたのは、あの日以来。
百合…目が腫れてるよ?
泣いたの?
それは誰に対して泣いたの?
僕は話し始めた。
自分に素直になって。
『百合、僕は百合が好きだったよ。本当に好きだった。百合はどうだったか知らないけど、俺は好きだった』
『私も』
『でも俺は限界を越えていた。 俺はもうボロボロになってた。百合はどうして嘘を付いたの?百合はずるいんだよ…前にも言ったけど、百合はずるい』
『百合の…一番は優君だよ』
僕は素直な気持ちを言ったんだ。
僕は百合に素直に言ったんだ。
『百合……別れよっか…』
もう、辛くて、
こんな情けない言葉しか言えない。
『……本当に信じてもらえないの?』
『百合には幸せになって欲しい、俺以外にいいやついると思う』
『百合は優君じゃないとダメなんだよ…?』
『百合…やめて。何も言わないで。俺はもう迷いたくない』
『…………』
『百合…さよなら』
僕は百合の前を去って行った。
百合の横にポケットから出した指輪を置いて。
百合…さよなら。
百合…
ありがとう……
―そして僕達は別れた。
短い・・・恋でした。