この涙が枯れるまで


百合と別れ時間がどんどん流れていく。
毎日つまらなかった。



『優って何か変わったな』

突然、歩に言われた一言。


僕が変わった?


確かにそうかもしれない。

僕百合と別れてから、女遊びもするようになった。


百合が嫌いなタバコも吸った。



耳にはピアス。


髪の毛の色は茶色から金髪に近い色になっていた。
アッシュのような、そんな色。


バイトも始めた。
僕は百合に嫌われたかった。
だから百合の嫌いな事や、嫌いなモノをするようになった。
勉強もしない。



百合は相変わらず一位が多かった。
でも隣には僕の名前はない。
わざとそうしたんだ。
百合から僕を忘れさせるため。
百合が次の恋に進めるため。

でも僕の百合への気持ちは変わらなかった。



季節がだんだん冬になる。
この街にサンタがやってくる季節。
それは12月。
街はクリスマス一色になっていた。
クリスマス…百合と祝うはずだった。

でももうそんな夢のような事はおこらない。
僕のクリスマスはバイトで終わる。

忘れたかった。
そんな夢のような事は。




バイトの帰り道、滝川先輩を見た。
女の人と歩いていた。
それは百合ではなかった。
もうどうでもいい。
僕は新しい道を歩みだした。





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