この涙が枯れるまで
僕は歩き始めたんだ。
でも一人になって考えるのは百合の事ばかり。
百合が……大きすぎる。
『優~ちょっと来て』
僕は母さんに呼ばれた。
『優は27日バイトあるの?』
夕食を作りながら母さんが聞いてきた。
頭の中で、バイトの予定を思い出す。
『なかった気がする。』
『27日何が食べたい?』
ああ…そっか。
27日は僕の誕生日だ。
忘れてた。
今思えば百合と4ヶ月違いだ。
4ヶ月前は楽しかったな。
百合の家に泊まって、指輪を渡して、僕達は一つになった。
僕はあの時幸せだった。
横には大好きな百合がいた。
でも今は大好きな百合はもう居ない。
僕は明日16歳になる。
──・・・12月27日。
《優君お誕生日おめでとう☆》
朝、携帯を見たときメールが来ていた。
瞳からだった。
とても懐かしくてたまらない。
嬉しくて、嬉しくて、少し涙がでた。
もしこのメールが百合からだったら、瞳以上に嬉しいだろう。
でも百合には新しい携帯番号と教えてない。
来るはずなかったんだ。
・・・トントン
僕の部屋がノックされる。
『優?』
母さんだ。
僕は急いで涙を拭いた。
『何?』
『家の前に百合ちゃんが来てるのよ…』
百合が来ている?
何で今更?
僕は弱虫でした。