この涙が枯れるまで
僕の毎日は、学校へ行って、バイトに行って、家に帰る。
その繰り返しだった。
家からあまり出たくなかった。
思い出すから。
百合との思い出を。
この街には百合との思い出が多すぎたから。
僕の胸が苦しくなるから。
だから僕は外へと出なかった。
『優は彼女作んねぇの?』という歩の質問に戸惑いが隠せない。
僕はまだ百合が好きだったから。
だから僕は彼女を作らないんだ。
すると僕の肩を叩く人がいた。
『…友達にならん?』
こう言ってきた一人の男の子。
凄くさわやかでスポーツ系ボーイ。
肌は黒く焼けていた。
でも何か眩しかったんだ。
どうしてだろう?
太陽の光のせいかな。
『おーいいよ、俺、鈴木優!!優でいいよ』
『優か…よろしくな!俺は土屋安里《つちや あさと》だから』
『安里な!よろしく』
これが安里との出会いだった。
──…時間はゆっくりと流れていく。
『安里~じゃあな!』
『じゃあな!優!!』
さわやかに去って行った安里。
『歩、沙紀じゃな!』
『お~』
『ばいばぁい』
一日終了。
新しい友達も出来たし、歩も沙紀もいるし、楽しくなりそうだな。
百合がいればもっと楽しくなったかな。
僕は帰ろうと下駄箱を開けた。
下駄箱の中に、何通かの手紙が入っていた。
これって…ラブレター?!!