虹が架かるまで
第一章
僕は高校生になったのだ。
千葉県にある私立の進高校の高校生に。
文武両道が売りで、進学実績、部活の実績と共に県内トップクラス。
そこに僕は入学した。
特に勉学が
優れていた訳ではない。
ただ僕はバスケットボールという競技の能力が人並みより優れていた。
それだけでの入学。
驚くほど簡単に。
それはまるで、赤子がいずれ二足歩行をするかのように自然で、そこに意識的な努力は皆無であったのだ。
僕は周りの必死の勉学を横目に淡々とバスケットをしていただけ。
好きなことを好きな風にやっていただけで、勝手に未来が切り開けてしまうこの世界、或いはこの日本国のメカニズムに僕は心底驚いた。
と同時に罪悪感、背徳感、そしてある意味での劣等感を引き連れ、僕は高校入学をすることとなった。
いわゆるスポーツ推薦での入学でここまで考える僕は、きっと人間を正負二極化した場合に間違いなく「負」という枠に収容される。
だけど僕は確かに「負」であっても悲観的でない。
自分という人間に必要以上に嫌悪感は抱かない。
自分の現状に必要以上に不満を抱かない。
そう、それはまるで「そうすることで自分を守ろうとしているみたい」だ。
しかしこれでいい。
僕は、これで。
このまま。
千葉県にある私立の進高校の高校生に。
文武両道が売りで、進学実績、部活の実績と共に県内トップクラス。
そこに僕は入学した。
特に勉学が
優れていた訳ではない。
ただ僕はバスケットボールという競技の能力が人並みより優れていた。
それだけでの入学。
驚くほど簡単に。
それはまるで、赤子がいずれ二足歩行をするかのように自然で、そこに意識的な努力は皆無であったのだ。
僕は周りの必死の勉学を横目に淡々とバスケットをしていただけ。
好きなことを好きな風にやっていただけで、勝手に未来が切り開けてしまうこの世界、或いはこの日本国のメカニズムに僕は心底驚いた。
と同時に罪悪感、背徳感、そしてある意味での劣等感を引き連れ、僕は高校入学をすることとなった。
いわゆるスポーツ推薦での入学でここまで考える僕は、きっと人間を正負二極化した場合に間違いなく「負」という枠に収容される。
だけど僕は確かに「負」であっても悲観的でない。
自分という人間に必要以上に嫌悪感は抱かない。
自分の現状に必要以上に不満を抱かない。
そう、それはまるで「そうすることで自分を守ろうとしているみたい」だ。
しかしこれでいい。
僕は、これで。
このまま。