虹が架かるまで
高校へ入学して時が経てば友達は次第に増えて行った。



自分は極めて明るい生活ではないにしろ、コミュニケーション能力が乏しい人間では無いと自覚している。



中でも菅野という友人と非常に仲良くなり、常に一緒に居る様になった。

「テスト週間だから雄一部活ないだろ?ファミレスで一緒に勉強しようぜ。」



期末試験が近づいて菅野の一言。



僕はにやりと微笑み
その誘いを快諾する。



こういった口実があるだけで、二人とも勉強しないのは分かってる。


昨日見たテレビの話だとか、学校で見つけた可愛い女の子の話だとか、そういったくだらなくも愉快な会話をだらだらとして、話し疲れればお互い帰路につく。


試験勉強など
ほとんどしないまま。



しかし菅野は自宅でそれなりの、


いやもしかしたら人並み以上の試験勉強をするのかもしれない。



菅野は仮にも県内トップクラスの進学校に一般受験で合格しているのだ。


そんなことを考えながら、菅野の学校近くのファミレスへやってきた。
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