虹が架かるまで
そして夏の地区予選
3回戦の一週間前に

その事実は僕の前に
怪物のようになって
現れたのだ。


ラストチャンスを奪われた
3年生たちと、

1年生なのに試合に
出ていることが
気に入らない1年生たち。


その集団による

僕への

リンチ。


僕は右腕を骨折した。


親には言えなかった。
先生にも言えなかった。


現実世界が
ドラマではないことを

僕は知っていたから。

現実はひたすら現実で、
氷ほどではないにしろ
水よりは冷たい世界なのだ。


僕が出るはずだった
地区予選の3回戦は
代わりに3年生が出場し
大敗を喫した。
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