月夜に舞う
壱
満月
「今宵は満月か」
月の光がてらす中、明かりもつけずに杯を手に月を見る男がいた。
人かと疑ってしまう美しさ。
「さぁ、神舞を見に行こう」
「お供します。清永―セイエイ―様」
暗闇から現れたのは彼の忠実なしもべ。
「清永様。あなたは穢れてなどいません」
清永は神舞の儀式のたびに自分を嘲笑うような顔をする。
「そんなのは・・・分からない」
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満月