月夜に舞う
「今宵は満月・・・か」
ここにもまた、月を見上げながら悲しそうな顔をするものがいた。
名前は華―ハナ―。
でも、彼女の本当の名前は『雪羅』-セツラ―
もう、何千年も昔から美しい姿のまま生き続けているもの。
彼女は不老不死。
神でもなければ人でもない。
『巫女』の一族の娘。
人はみな『巫女』の一族の『神姫』は幸せだという。
でも、本当にそうだろか?
ただ、満月の夜ごとに神舞を舞い、人を愛することはできず永遠に生き続ける。
そんな彼女たちは幸せなのだろうか?
そんな事は分からない。