月夜に舞う
「私はあなた達とは違う。あなた達は人間と神の間の子孫。だけど、私は違うわ」
私は静かに語り始めた。
「私は、あなた達の先祖の神の娘。あなた達よりも何千年と生きているわ。母は人間ではないもの。れっきとした『神』よ」
「何を言い出すかと思えば・・・構わないはそんな戯言には。火を放ちなさい」
すぐに、服に火がついた。
だけど、私はその火を消す。
私は人ではない『水の神』だから。
「な・・・ぜ?」
「私は最初に言ったわ。私は神の娘だと。私は水の神」
解かれるはずのない縄が解かれた。
「清永・・・」
「雪羅、迎えに来た」