月夜に舞う



「私はあなた達とは違う。あなた達は人間と神の間の子孫。だけど、私は違うわ」



私は静かに語り始めた。



「私は、あなた達の先祖の神の娘。あなた達よりも何千年と生きているわ。母は人間ではないもの。れっきとした『神』よ」



「何を言い出すかと思えば・・・構わないはそんな戯言には。火を放ちなさい」



すぐに、服に火がついた。



だけど、私はその火を消す。



私は人ではない『水の神』だから。



「な・・・ぜ?」



「私は最初に言ったわ。私は神の娘だと。私は水の神」




解かれるはずのない縄が解かれた。



「清永・・・」




「雪羅、迎えに来た」



< 27 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop