月夜に舞う



「私は思い出した。雪羅、もう一度私のそばにいてくれるか?」



「私でいいのなら」



優しく抱きしめられた。



「あなたはもしや、穢れた神?!」



「だとしたら・・・?」



村人たちは顔を青くして跪いた。




愚か。



「彼は、人を殺してはいないわ。殺したのは巫女の一族の最初の神姫」



静かに告げる。



誰もしらない過去。



「私の半分血のつながった妹」



「それは真実?」



私は静かにうなずく。



「でも、いいわ。こののち彼を穢れた神と言わないで」



「そんなことが信じられるかっ!!」



一人が言えばそれに便乗する。




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