月夜に舞う
「なぜ・・・?」
「私はこうみえても何千という時を生きてきた。その間にたくさんの醜くゆがんだ心を目の当たりにしてきたわ」
そう、あれはなんびょく年前だったかしら?
愚かな村長・・・おろかなその息子。
あの二人以外でもたくさん思い出せる数え切れないほど。
それでも、同じ過ちを繰り返すのは人が短い人生だから。
だけど・・・儚く美しい。
「でも、私が穢れているに変わりはない」
「穢れなど、人が勝手に決めたもの。この世に本当に美しいものはある?」
このよに穢れも美しいもないと私は思うわ。