secret love
トラブル
(今日はやっぱり五万円かぁ)

早紀江は、三宅の指名を受けて今日の仕事を終えたばかりだ。
働きだしてようやく業界の事も分かってきた。


(店で会わなければ、三宅はもっと助けてくれると言った。)

しかし、この世界で本番がばれたらご法度だ。どうにかして今のうちに三宅とは何とか打ち解けておかなければいけない。

店に戻るとオープンから一緒にいた百合ちゃんがいた。店長の小沢は今新しく入る子の為に撮影にでていて、他の子も仕事にでているらしい。

『お疲れ様です!』百合ちゃんはまだ19歳で若いけれど、この業界では大先輩で相談にのってくれたり、教えてくれたりと頼りにしている仲間だった。

『百合ちゃんはさぁ、お客さんとやっちゃった事ってあるの??』

『ん~それはないですよ。まずお客さんでも、恋人になってからですね。』

『そっかぁ・・・・・・・。』

『えっ、紗和さんもしかして・・・。』
『うん、ちょっとね、無理やり本強とかじゃないんだけど。』

『ん~紗和さんそれはダメですよ、紗和さん以外の人がついたら大変ですし、ブクロは狭いですから気をつけて下さいね。』

本強とはいわゆる本番強要といって、本番が一切ナシのヘルスで本番行為をする人、もしくは要求する人だ。

コンパニオンによってはすぐに店に連絡をして客に対して罰金か、もしくはそのまま客と交渉して直接支払わせ、指名をとるため店に通わせる者もいる。


< 24 / 52 >

この作品をシェア

pagetop