どこかのカフェであいましょう



「あら?彼方!遅かったわね!!」


相変わらずのカマ口調
霧島 桔梗―――いちお、あたしの実の父である



「…父よ。娘は短時間で色々あったよ。」


あらあら、と言いながら見ていた資料をデスクにおいて眼鏡を外し
座っていた椅子から立ち上がりあたしの近くまで来て抱きしめた。


「庵も、お帰りなさい。彼方を連れて来てくれてありがとう」


「いや、別に。俺、寝みぃから部屋行くわ」


「お疲れ様、ありがとね。」


イオリさんは、あたしをチラッと見て少し微笑んで部屋を出ていった。
綺麗な顔だな‥‥‥ってあたしお礼言ってない!


「庵よ、ここの喫茶店で働いてるの。ついでに私が親代わりとなって面倒見てる子」


そう言って改めてギュッと抱きしめて頭を撫でて、あたしが部屋に入ってきた時にいた場所に戻った


庵、さんかあ


「良い人だね、庵さん」


綺麗な顔だし、優しいし、モテるんだろうな
また 会えるかな なーんて。



< 10 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop