どこかのカフェであいましょう
カチャン――
「はー、サンキューな?奏太のおかげで早く終わった」
「気にしないで、あたし皿洗い好きなんだー」
最後の皿も食器洗い機の中に入り、ひとまず終了
「コーヒー入れ直そうか」
そう言ってカップを2つ手に持った
「て、そのコップ!」
「ん?」
…色違い、だよね?
しかもあたしが持ってるやつじゃないし…
いつのまに…!?
「あー、このコップ?みんなで色違いなんだぜ」
コーヒーを淹れながら、教えてくれる優瑛君
「家族のカップは色違いよ、て梗ちゃんが勝手に決まりみたいなの作って。んで、奏太も家族なんだからさ、俺達家族なんだからコップも色違い!」
コトンと目の前に置かれたコップには、ゆげがでてるコーヒーが入っていた
「梗ちゃんは金色。紫梗ちゃんは銀色。陽司は黄緑色。陽太は黄色。藤臥は黒。庵は赤。んで俺は紫。奏太は、水色」
コップを目の高さまで持ち上げて見てみると、新しい感じがするけどよく分からないけど安心感に似た何かがある
あたしはみんなの仲間入りができたって、そう、思っていいのかな?
…ヤバい、泣きそう
涙が出そうなのをこらえながら優瑛君を見た
「…あたし、みんなの、仲間入りして、いいの?」
「いいも何も!そうじゃなきゃ奏太の分の朝食なんか準備しないネ!」
「…あ、りが、とう」
「ぇえ!?ちょ、なかな、泣かないの!」
オロオロしながらあたしの頭を撫でてくれる優瑛君
仕草が面白くて笑ってしまった
「昨日の庵、ごめんな。ホントは梗ちゃんと同じくらいに奏太のこと来るの楽しみにしてたのって、庵なのに…」
ティッシュを差し出してくれる優瑛君からティッシュを貰った
「最近、忙しいとか何とか言ってるけど…あれって、どうゆう意味なの?」
鼻をかんで、優瑛君のとこを見ると大口開けて近くにコップを持ってったまま、頬杖をついてこっちを見て固まってる
「知らないの?庵」
「…?」
「あいつ、俳優だよ?」
…はい?