どこかのカフェであいましょう


紙が落ちた場所まで走って行くと、
顔は見えないけど多分、男の人が落とした物を拾ってくれた


「すいません、あたしのです!」


紙に視線を落としていた人があたしの声を聞いて顔を上げた。
と、同じくらいにまた風がふく


風が止んで目を開けると、目の前の人も目を開けてる最中だった
揺れる黒髪の下からちょっと光る赤髪はキラキラ綺麗で
長い前髪から覗く真っ黒な瞳
スラッと長い鼻すじ


「‥‥‥‥うわあ、綺麗」


気付いたときには遅く、あたしの口からは言葉が漏れていた。
咄嗟に手で口を隠しているあたしを見てその人は
しばらくいきなり噴き出して笑い出した



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