シルバーウルフ -Is this love?-
そうじゃなきゃ。

 俺、笑えてさ。


だって、反撃がないのは退屈だ。


 俺、笑えたさ。


腹がよじれるくらい。




「あ~、楽しいよ。お前は、なぶり殺してやるから楽しみにしてろよ?」

腹筋で上半身だけ起こした俺。



ボブ・ディランの《Knockin’ on Heaven’s Door》を鼻歌で奏でた。


胸ポケットから弾丸を取り出して、弾倉に詰め込む。


少し視線を上げてトカレフチャイニーズを見た。


銀色の前髪の向こう。


まるで化け物でも見るような顔で俺を見つめてやがる。




……まぁ

化け物か……?俺は。



眉間の傷口から撃ち込まれた弾丸が出てきて“ポトッ”と床に転げ落ちた。


鼻歌が2小節目に移る頃には傷口は塞がって、無傷のように治癒した。



まぁ、そんなことより



「お前、ボブ・ディラン知ってる?」



やっぱり、こいつも返事をしねぇんだろな……。



残念。


それが実に残念。








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