シルバーウルフ -Is this love?-
「おい、お前、まわれ~右!!」
さっきまで真ん中だった男は、振り向いた。
無駄に日焼けした顔。
日焼け男の足の震えで、突貫工事で作ったと思われる床が揺れて震度3程度を示す。
倒れた2人の死体は揺れないが、日焼け男の漏らした小便で“死に水”を与えられている。
「おい、俺の名前知ってるか?」
「殺さないでください!!」
「お前の自己主張を尋ねた覚えはねぇよ。質問に答えろこのアホンダラ。」
「知りません!!すみません!!」
「俺は、シルバーウルフ。覚えとけ。近くの警察に“シルバーウルフが現れた”と伝えて来い。それだけで、何が起こったか警察は理解する。」
「はい。分かりました。」
「ところでお前は、今日、カジノに勝ってたの?」
「ま・・負けていました。」
「負けていたけど、お前、命が助かったって強運を忘れちゃうなよ?ん?」
小刻みに機械仕掛けのように頷き続ける男。
「おい、あの、世界一足の速い黒人なんて名前だったけな?」
「ボ・・ボルトですか?」
「あ、それだそれ。お前、色が黒いし、あれより速い“欽ちゃん走り”で警察へ行け。」
言った瞬間に走り出した日焼け男。
ヨロメクあの足取りでは、保育園児とのカケッコでも負けそうに見えた。
てか、“欽ちゃん走り”じゃねぇし。
殺しておけばよかった。
さっきまで真ん中だった男は、振り向いた。
無駄に日焼けした顔。
日焼け男の足の震えで、突貫工事で作ったと思われる床が揺れて震度3程度を示す。
倒れた2人の死体は揺れないが、日焼け男の漏らした小便で“死に水”を与えられている。
「おい、俺の名前知ってるか?」
「殺さないでください!!」
「お前の自己主張を尋ねた覚えはねぇよ。質問に答えろこのアホンダラ。」
「知りません!!すみません!!」
「俺は、シルバーウルフ。覚えとけ。近くの警察に“シルバーウルフが現れた”と伝えて来い。それだけで、何が起こったか警察は理解する。」
「はい。分かりました。」
「ところでお前は、今日、カジノに勝ってたの?」
「ま・・負けていました。」
「負けていたけど、お前、命が助かったって強運を忘れちゃうなよ?ん?」
小刻みに機械仕掛けのように頷き続ける男。
「おい、あの、世界一足の速い黒人なんて名前だったけな?」
「ボ・・ボルトですか?」
「あ、それだそれ。お前、色が黒いし、あれより速い“欽ちゃん走り”で警察へ行け。」
言った瞬間に走り出した日焼け男。
ヨロメクあの足取りでは、保育園児とのカケッコでも負けそうに見えた。
てか、“欽ちゃん走り”じゃねぇし。
殺しておけばよかった。