シルバーウルフ -Is this love?-
頭を怪我したその日も、神父は裕太と俺を病院から連れて帰ると、裕香を上半身を裸にして


“お仕置き部屋”へ連れて行った。



最初はボソボソ声の神父。


決まって時間が経つたびに大きくなる声。


怒りが深ければ深いほど、罵(ののし)る言葉は汚さを増す。



裕香へのお仕置きが終わる。

神父が部屋から出てきたその姿は

いつも通り股間が張り裂けんばかりに膨らんでいた。




「裕慈!!裕香を部屋から出しなさい!!」

血走った眼でヒステリックに俺を怒鳴る神父。




それと同時に、包帯で頭をぐるぐる巻きにしている裕太の髪の毛を掴みあげる神父。


俺を滑り台から突き落とした、裕太へのお仕置きも忘れていない神父。




どの孤児にも「裕」の漢字を好んで、名づけた神父。



「裕」とは“豊かでゆとりがある。”と意味があるらしいが


幼い俺たちには、そんなもん微塵もなかった。








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