シルバーウルフ -Is this love?-
恋は盲目とは聞いたことはあるが

それは、幼稚と無知なだけだと再認識した。




「携帯の番号があるから、邦明(クニアキ)に調べさせてみる。」裕太が言った。



明日の朝、邦明に調べさせて午後にはあらゆる情報が出てくるのだろう。


この“ヒロシ”って奴はカタギのハズだから

殺すなら夜にこいつの家か……。




「もし、住宅街やマンションに住んでいたらマズイから、サイレント式を用意しといてくれ。」

俺は裕太に拳銃のリクエストをした。



「あぁ、分かってる。」



裕太との打ち合わせは簡潔だ。

俺がイマジネーションしたことを裕太もしているからだ。




「あと、もしも……。」

裕太も気になっていたようだった。


「だな。」俺は答えた。


「明日、ヤー公の事務所から報酬金を貰った足で、バカ神父のとこにも寄ってくる。あのおっさんも金を持って行った時は機嫌はいい。まぁ、世話になるかもとは耳にいれておく。」


「裕太、どうせあのバカのことだから“銭”にするさ。喜んで引き受けるだろ。」




“ヒロシ”

こいつには妻子がいる可能性がある。


俺はいつでも誰でも殺すが


決して、子供だけは殺さない殺し屋だ。







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