シルバーウルフ -Is this love?-
栄養不良の薄紫色。
裕太はそんな唇の先から次の仕事の要件を伝えている。
興奮しやがるとビブラートするみたいに高い声になる。
孤児院でいちばんピアノに合わせられなかった音痴のくせに。
俺は診察代に腰を掛けて右手にペプシ。
左手に邦明から送られてきた今日の仕事場の間取り図。
視線は窓ガラスに映す医院の小庭の木漏れ日。
「あくせくの“あ”」
今日は小うるさい裕太の説明を遮るようにシリトリを投げ掛けた。
「そう。働け。」
裕太の返事。シリトリじゃねぇし。
別に金が欲しい訳ではない。
むしろ、口座には腐るほど眠っている。
人を殺すことを叩き込まれた俺。
それしか選択肢がなかった俺。
それが、特に悲しいワケでない。
むしろ、殺しは好きだ。
ゾクゾクする。
……しかし、小うるさい。
「商売はんじょー、明日のジョー。」
皮肉で裕太の高い声をマネた。
飲み干したペプシのボトルをゴミ箱へストライクさせた。
俺より5つも歳上のクセに“明日のジョー”を知らない裕太は“なに?それ?”って顔をしていた。
裕太はそんな唇の先から次の仕事の要件を伝えている。
興奮しやがるとビブラートするみたいに高い声になる。
孤児院でいちばんピアノに合わせられなかった音痴のくせに。
俺は診察代に腰を掛けて右手にペプシ。
左手に邦明から送られてきた今日の仕事場の間取り図。
視線は窓ガラスに映す医院の小庭の木漏れ日。
「あくせくの“あ”」
今日は小うるさい裕太の説明を遮るようにシリトリを投げ掛けた。
「そう。働け。」
裕太の返事。シリトリじゃねぇし。
別に金が欲しい訳ではない。
むしろ、口座には腐るほど眠っている。
人を殺すことを叩き込まれた俺。
それしか選択肢がなかった俺。
それが、特に悲しいワケでない。
むしろ、殺しは好きだ。
ゾクゾクする。
……しかし、小うるさい。
「商売はんじょー、明日のジョー。」
皮肉で裕太の高い声をマネた。
飲み干したペプシのボトルをゴミ箱へストライクさせた。
俺より5つも歳上のクセに“明日のジョー”を知らない裕太は“なに?それ?”って顔をしていた。