シルバーウルフ -Is this love?-
騒がしい夜の街。

雑多な人の波の中。

その1人、1人から吐かれる息で街の空気が湿っている。




コインパーキングに停めた黒いスカイライン。

運転席の裕太の顔を振り向いた。

赤い点滅ネオンライトに照らされていても、唇の色は寒々しい。

“早く行け”とアゴで合図する裕太。

また、少しカチンときた俺。

アスファルトにツバを吐いた。





酔っ払いの3人組のサラリーマン。

真っ直ぐに歩けず、立ったままスクラムを組んで進んで来る。



左端の小太りが俺の肩にぶつかった。


「おい、こらぁ!!」

アルコールは罪作りだ。

呑みすぎれば、音便なサラリーマンを威勢(いせい)のいいヤクザチックに変えちまう。





「人の肩にぶつかっておいて、挨拶なしか?お?この白髪!!」

今宵、月夜でない。

しかし、街頭とネオンで明るい路上。

それより、俺、白髪じゃねぇし……。




……あとさ、、、


好きでこんな色をしてんじゃねぇんだよ!!

って、頭に血が昇って左端の小太りの髪の毛を右手で掴もうとした瞬間

裕太はいつの間にか外へ出てきていて、俺の手を制止した。







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