シルバーウルフ -Is this love?-
「よく聞かせておきますので、すみません。」

俺の右手を持ったまま、ペコペコ頭を下げる裕太。



「ダメだ。許さねぇぞ、この白髪に謝らせろ!!」

「そうだ、コラァ!!」


相手に怖さがないと分かれば、スグに調子に乗るジャップ。

60数年前にイケイケで戦争をおっ始めて、アメーリカンにゲンコツを喰らわされたことを忘れている。


てか、白髪じゃねぇって……。




「これでカンベンしてください。」

裕太がポケットから差し出した金は3。


「こんなもん、貰えるか!!バーカ!!恐喝になんだろうがよ!!俺ら証券マンだぞ?お前ら、どチンピラとは違うんだよ!!」


……で


保身優先。保身第一主義。

最後の一線の危機管理だけは、アルコールでも抜けきらない。


要は喧嘩をするつもりもない。
要は金を受け取る訳でもない。

要はこいつら……、今夜は“テキトーなカンジ”な気分なのだ。


この場で腰のリボルバーを抜いてやろうと思った。


しかし、裕太の不機嫌な顔がスグに浮かんだ。





「謝ります。すみませんでした。」

俺は深々と頭を下げてみた。







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