シルバーウルフ -Is this love?-
メイは毎夜、毎夜……


     俺の部屋に入室してきた。






命拾いの謝礼を身体で返すつもりでいるのだろう。



まるでそれしか“能”がないように。









メイは俺のベッドに潜り込み、マネキンが横たわるみたいに、じっと俺を待っていた。



もちろん、俺はメイに何にもしなかった。



謝礼の対価は、金以外は値打ちがないと思うからだ。







メイは命拾いに加え、身体を売る地獄からも抜け出せたのだ。



今は、その幸福を遠慮なく満喫すればいい。




幸福が明日にも必ず、訪れる保証がないのは誰もが同じだからだ。





……まぁ、そんなこと


本当は考えるのもめんどくさい……。









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