シルバーウルフ -Is this love?-
だから、俺はそんなベッドに潜り込んできたメイに背中を向けて寝た。




メイはそんな俺の背中にくっついてくる。






そんな、背中は温かく妙に落ち着いた。





なんとなく……


  追い払えなかった。






しかし……

 メイに振り向かないのは



裕香が待ってくれていた2段ベッドの上段。


毎夜、ハシゴを昇ってそこへ潜り込んだ。


裕香の胸元で眠っていた幼い頃を思い出しちまうのが嫌だった。







こんな俺でも……


10日が過ぎたそんな頃。


その背中の温もりが恋しくなっていた。






俺はベッドで息を潜(ひそ)めながら


メイが入室してくるのを


今か今かと待ちわびる俺がいた。









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