蜃気楼。
「あっ、うん。帰ろ?」
眩しい笑顔に戸惑いながらも
答えると、
「んふふっ★」
って意味不明な音を出して、
サユリは、笑った。
「まおはさぁ、好きな人、いる?」
…っと、いきなり聞く?普通。
好きな人って、んな早く言わないよね?
「サユリはさぁ、いるんだぁ。」
コッチの返事を待たず、
話し出すサユリ。
「サユリねぇ、1組のユータ君がすきなの。」
へぇぇ…。ってか
「ユータ君って、誰?」
知らないんだけど。
「えぇっ?知らないのぉ?」
「興味ないから。」