蜃気楼。
「あらー、鬼追君。どうしたのぉ?
珍しいじゃない。」
ニコッと笑い、部屋に俺等を招き入れる。
「今日はどうしたの?」
「コイツがちょっと…。」
俺の後ろから現れた涼太。
「あらぁ、リョウちゃんじゃなぁ~い。
具合悪いのぉ?」
涼太の顔を覗き込む須山。
「お願いできますか?」
「ん、寝かせとくわ。
あんまりにもキツそうだったら早退させとく。」
任せて。と微笑む須山。
俺は須山に涼太を渡し、保健室を後にした。
続いて向かったのは、図書室。
ガララッ
しーん。
静まり返っている。
誰もいないのか。
椅子を適当に繋げその上に寝そべる。
「おやすみ。」
自分自身に挨拶をし、俺は眠りについた。