蜃気楼。
靴箱には、またギャルの集団。

アッ、サユリだ。

私が気づくとすぐ、
サユリも私に気付いたようで、
駆け寄ってきた。

「おっはよー。」
「おはよ。」
「昨日はアリガト★楽しかったぁ。」
「私も。」


素っ気無くかえすも、
サユリは笑顔のまま。

「まおからメール貰えるなんて、
感激ぃ!!」
「 何で?」
「まおってさぁ、ウチらにとっちゃ
空の上の人だしぃ。」

…空の上の人?

「サユリ!違うッ!!」
「空の上の人じゃなくて、」
「雲の上の人。」

えっと、最初のが確かぁ…。
モエ。

んで、次がユミカとエミカ。
さすが双子。息ピッタリだ。

唯一何も言わなかったのは、カヤノ。
意外に静かな子なのかな?

「っとにかく、まおとメール出来るのが、
夢みたいだっただけ。」

顔を真っ赤に染め、恥ずかしそうに言う。




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