蜃気楼。
ネム。

携帯を開くと、

ヴーヴー,ヴヴー。

鳴り始めた。


・・・タイミング、よすぎない!?

周囲に気付かれないように、
コソコソと電話に出る。

「…はい。」

「まおー。」

「サユリ?」

「YES★」

「どーしたの?」

「あのさー、自分から
言っときながらなんだけど…」

「ナニ?」

「屋上来ない?」

「何で?」

「授業ヒマでしょぉ?」

「楽しくは無いね。」

「だから、くればぁ?」

「んー。」

「ウチらみんないるからぁ…。」

「ん。分かった。」

「マジ!? 待ってるぅ。」

「ん。」

「んじゃねぇ~。」


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