蜃気楼。
タタタタタ。

階段は…さすがにキツイな。

なんて思いつつも、
階段を走る足は止まらない。

「…っ着いたぁ。」

乱れた呼吸を軽く整え、屋上のドアを開く。

「まおちん!」
「まおちん!」

左右から抱きついてくるユミカとエミカ。

って…

「まおちんて誰?」

「まおちんはまおちんだょ?」

「ユミカが考えたのぉー。
カッワイイでしょぉ?」

にこぉっと笑うユミカ。

「違うょ。ユミカぁ。
正確には、2人で考えたんだよぉ?」

「アレ?そぉだったっけ?」

白々しく言う。




ユミカもエミカも可愛いなぁ。

すっごい純粋で、綺麗。

眩しくて、思わず目を逸らしたくなる。

例えるなら…太陽?

んー。違うなぁ。

いい例、思いつかないや。


「まぁ~おッ。」

ポンッと軽く私の肩を叩くモエ。

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