蜃気楼。

「電話、佳代?」

「ん。いつもの報告。」

佳代はいっつも彼氏に振られると、
こうして俺に電話をかけてくる。

「人参、買って来いってさ。」

「俺が?」

「佳代が行くつもりだったらしいけど、
行けなくなったからって。」

「じゃぁー。行こっか。」

「いってらっしゃーい。」

バイバイと、手を振る。

「ほらッ、 行こ。」

「はッ、俺も?」

「たりメーじゃん!!
まさか、俺に1人で行けと?」

「行けばいいじゃん。」

「んな事言わない!!!行くよ?」

「ハイ、ハイ。」

ってか、ココ保健室だったわ。

カーテンを開くと、須山はいなかった。

「須山、いないんだけど。」

「アッ、書き置き発見~!!」

テーブルに小さな紙切れが置いてあった。


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