蜃気楼。
「マッ、いーが。帰ろッ。」
勝手に帰り始める。
「ん。」
俺も鞄をからいなおし、歩く。
「なー、佳代危ねーと思わねぇ?」
「ナニが?」
「なんか、ちょい悪!!とか言って
本職とかと付き合ってんじゃん?」
「んー。」
「いつか、ヤバイ事に
巻き込まれそーな気がする。」
…マジで心配してやがる。
さすが、シスコン涼太君。
「仕方ないんじゃね?」
「けどよー。」
「ヤメロったってヤメねーじゃん。」
「はぁぁー。佳代の趣味、
変わんねーかなー?」
「無理だろ。」
「だよなー。」
あからさまに落ち込む涼太。
「告っちまえば?」
「それが出来れば困んねー。」
半分涙目だし。
やべぇウケる。