蜃気楼。

「んじゃッ、涼太が
ちょい悪になっちまえば?」


「弟だぜー?本職やっても
ちょい悪にしか見えねーよ。」


しかも、良くてだぜ?

と落胆した表情を浮かべる。


「ってか、佳代の事だから
弟がいくら頑張っても恋愛対象には
入んねーよ。」


分かってんだったら諦めろ!

思わず言いかけた言葉を
飲み込む。



「んー。まぁ努力あるのみ!」


「だよなー。俺ガンバル!!」


アレッ?立ち直っちゃった?


涼太の瞳にはやる気が溢れていた。


「よしっ。」

「ん?」

「俺、金髪にする!!」


・ ・ ・ は?


金髪って…

今と対して変わんなくね?


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