蜃気楼。

もう逃げたい。

もーいーヤッ。逃げちゃおう。


「母さん、ちょっと俺涼太に電話しなくちゃいけないんだよねー。」


勿論口から出まかせ。

けど、まーいんだって。

多分母さんは許してくれる。


「あらそうなの?電話しちゃいなさいよ。」


「あ、じゃ、また。」


席を立ち、一気に二階に逃げる。

そして、宣言通り俺は涼太電話した。

一通りの事を話し終えると、


「お疲れ様。」


頑張ったねーと言う涼太。


「俺、頑張ったぜ。」


「だろーねー。」


「で?」


「何?」









< 87 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop