蜃気楼。
もう逃げたい。
もーいーヤッ。逃げちゃおう。
「母さん、ちょっと俺涼太に電話しなくちゃいけないんだよねー。」
勿論口から出まかせ。
けど、まーいんだって。
多分母さんは許してくれる。
「あらそうなの?電話しちゃいなさいよ。」
「あ、じゃ、また。」
席を立ち、一気に二階に逃げる。
そして、宣言通り俺は涼太電話した。
一通りの事を話し終えると、
「お疲れ様。」
頑張ったねーと言う涼太。
「俺、頑張ったぜ。」
「だろーねー。」
「で?」
「何?」