蜃気楼。
「お前はどうだったの?」
「あー、それが…」
言葉を濁す涼太。
「ん?」
「それがさー、佳代今泥酔じょーたい。」
「ヤケ酒?」
「うん。テーブルの上にビール缶と
焼酎の残骸がメッチャあった。」
「ふぅーん。」
「そんだけ、好きだったんだよなー。」
「…ぅん。」
一応返すも…なんかオカシイ。
佳代ってヤケ酒するタイプじゃないんだよなー。
どっちかっていうと、
『いい彼氏作って見返してやるッ!!』
って感じ。
立ち直り早いし。
「明日、聞いて見るわ。」
「頑張れよ。」
「もし断られたら、尽頼む「んじゃ、またな。」
涼太の言葉を遮り、電話を切る。