Steward of Devils duck
「………璋君、も、結構失礼、だよネ。」
「いいじゃないですか。ホラ。見た目サーカスみたいな格好ですし。髪の毛まで白くて派手ですし。」
「地毛だよ、これは。地毛。お母さんを、からかう、ものじゃ、ありません。」
「何がお母さんですか。男でしょう。」
菫荘の広間のカウンターの上、ため息をつく。とりあえず、目の前に積み上がっているのは、帰りがけにかきあつめた求人誌。カウンター部分にあごを乗っけるという体勢で、パラパラめくっては、目星に折り目をつける。隣の死神さんは、求人誌を見てふーんなんて頷いている。そしてちゃっかり整理している。
そんなことをしていると、ソファの上で朔夜さんは、ふと鉛筆を削っている 手を止めた。
「そういえば、璋。バイト全てクビになった割には、帰りが遅かったね。どうしたの?」
僕は、渇いた笑い声をたてた。
「あはは………。黄昏てたんです。公園で。変な黒装束の金持ちに絡まれましたけど、特に変なことにはなりませんでしたから、大丈夫です。」