紅い花
『明日仕事終わったら
そのまま家に
行っていい?』
付き合って何ヵ月か
過ぎた頃には
彼の家に入り浸りだった。
そのうち学校にも行かなくなり、遊ぶお金が無くなれば夜の仕事にでた。
『 お帰り麻希 』
『 ただいま俊 』
彼はとても優しかった。
同い年でも学生でない彼は職人の道を選び早朝から
夕方まで働いていたのに
深夜に家へ来る、あたしを待っていてくれた。
そんな2人に…
いや…
あたしに黒い悪魔が
忍び寄ってきていたとは
この時は、想像もしていなかった。
悪魔が彼だなんて