溺愛キング
「ごめんね、藍飛。
もしかして今日は矢耶ちゃんと2人で過ごすつもりでいた?そーだったら悪いことしたなぁ…けど邪魔しないでね?藍飛くん?」


勝ち誇った様にまたにっこりと笑った雅司に、行き場のない怒りが込み上げてきた。


eagleでは総長が絶対である。しかし年上を敬うのは当たり前なので、先輩の雅司は例え藍飛が総長だとしても、タメ口で話しているのだ。

藍飛が先輩にもタメ口なのは、総長ということもあるが…誰からも信頼され確かな実力を持ち、誰よりも仲間のことを考えeagleをここまで大きくしたから、というのが一番の理由かもしれない。

だから藍飛は歴代の人からも信頼を寄せられているのだ。

また矢耶を溺愛していることも少なからず理由の内に入るはず。

矢耶はeagleにとって居なくてはならない存在なのだ。

哉人の娘ということもあるが矢耶が居なければeagleはここまで暖かい場所になっていなかったはず。

だから矢耶を溺愛する藍飛に誰もが心を温かくしていた。



そんな藍飛が今、雅司に飛び掛かる勢いで睨みつけている。

周りに居る面子がオロオロしながら2人を見ている。
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