溺愛キング
『……………あ゛?!』


藍飛の低い声が響く。

この場の空気が凍りつく。


雅司を睨みながら距離を縮めていく。

雅司は少しびっくりしたのか半歩下がった。

周りから息をのむ音が聞こえてくる。



「あっ……藍飛さんっ」


面子の裏返った声がしたけど気にせず雅司に近づく。


雅司は何も言わない。

ただ俺をじっと見ている。

雅司との距離が数㎝になり上から睨みつける。

胸倉を掴み殴り掛かかろうとしたら………


「待って、あおっ!」


俺と雅司の間に矢耶が入ってきた


「「「矢耶ちゃん!!」」」


面子が慌てて叫びだした。


いきなり過ぎて俺の拳が当たりそうになったがギリギリ避けれた。


『矢耶っ!危ないだろっ!いきなり出てくるな!当たったらどーすんだよっ。』


避けたからと言って良かったわけではない。

胸倉を掴んでいた手を離した。



ぎゅっ――――――………



矢耶が前から俺に抱き着いてきた


「…………………ごめん。」


顔をぴたっと俺の体に引っ付けて小さい声で呟いた。
< 122 / 269 >

この作品をシェア

pagetop