溺愛キング
「ほんとっ…?………ひっく…………」

『あぁ。約束する。矢耶、ごめんな。怖い思いさせて悪かった。』

「ううん。矢耶も悪かったんだよ。誰も怪我しなくてよかったよぉ〜。」

『矢耶っ』


またおもいっきり抱きしめた。

愛しくて愛しくて仕方ない。


ん?

視線をやたら感じる。

周りを見ると…………


『げっ!おっお前らどーしたんだよ………?』

「??藍、どーしたの?」

『あいつらが泣いてる……』

「へっ?!」


周りを見ると、何故か鼻水をずるずる吸いながら泣いている奴らが居た。


「みんなどーしたの?!」

「「おっ……俺ら矢耶ちゃんに感動したっす。ぐすっ………」」

「「そんなふうに俺らを想ってくれてたなんて……」」

「「いつも笑顔で俺らと接してくれてることとか、今すごく胸にきたんです。」」

「「「矢耶ぢゃーーん゙」」」


面子の泣き声が響いた。


「みっ……みんな……」


また矢耶の目が涙でうるうるしだした。


「矢耶もみんなと話すの大好きだよ!ううん。みんなのこと大好き―――…わっ」

『矢耶。大好きは言い過ぎ。大は余分だ。大好きは俺だけだろ?』


矢耶が"大好き"って言ったことにムッときた。

だからもっと強く抱きしめた。
< 125 / 269 >

この作品をシェア

pagetop